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東洋医学と不妊治療

東洋医学とは?

東洋医学は自然哲学をもとに主に中国で発達してきたものです。この医学の最大の目的は「未病治」と言って病になる前に回避するということ。いわゆる「予防」ということです。それを鍼灸ではツボを使い、漢方では薬草を使い、体の内側に働きかけるといった現代医学とは違う角度からのアプローチです。

また東洋医学には3000年もの古い歴史があり、昔の医学書を参考にして発達してきたものなので解釈の違いはあれども基本的には同じです。

人間も動物も自然界のひとつに過ぎないという原点に立った考え方や養生法は痛みや体の悩みとして現れた部分だけをなくすのが目的ではなく、自然回復力を高めることを目指しており、ストレス社会と言われる現代に必要不可欠な存在となっています。

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ストレス社会にはなぜ東洋医学がいいの?

冷え、不妊、月経痛、頭痛、下痢、便秘、うつやその他の癌などの大きな病気の根源はストレスだと言われています。しかし、生きている限りストレスを避けることはできません。でも、同じストレスを受けても病気になるとき、ならないときがあるのは何故でしょう?

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東洋医学でよくいわれる気血水って何?

東洋医学で一番怪しいと言われるのが「気」という存在です。「血」や「水」は血管を流れる血のことや体内の水分のことですので比較的わかりやすいかなと思います。

東洋医学では「気血」の量や質、巡りが良いか悪いか、体内のどこかに停滞していないか
ということで健康かそうでないかを見極めます。
「気」は目に見えませんので、怪しいと思う人は多いですが、天気・気候・気温・雰囲気・気配り・殺気・元気・気ままな性格・気長な性格・短気・・・などなど、「気」のつく言葉は日常にあふれています。

東洋医学では「気」は体内や自然界に存在し、人間は親から受け継いだ「気」と自然界からの「気」を受け生きるための活力としていると考えています。

この「気」が充実し、「血」体の隅々までめぐっている状態が健康とされるのですが、その指標となるのが以下の様なことです。

  • 熟睡できていますか?
  • 朝「今日も頑張ろう!」と思えますか?
  • 食べ物を見て「美味しそう」と感じ、食欲が湧きますか?
  • 声は元気で張りがありますか?
  • 笑顔が自然と出ますか?
  • テキパキと行動できますか?
  • 幸せだと感じますか?
  • いろんなことに挑戦したいと思いますか?
  • 熱中できるものがありますか?
これらの項目に「はい」と答えられる項目が多ければ多いほど、気血が充実していると言えます。

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どうすれば気血が充実するの?

気血を充実させるには、自然界の肉・魚・野菜など食物をバランスよく食べること。ミネラルいっぱいの水を飲むこと。これが基本となります。

昨今では食事が欧米化し、ファーストフードをはじめ、横文字が並ぶ食事を摂る頻度がかなり多い上に、添加物、化学調味料の多様化により、自然界とはほど遠い食事をされている方が多い様に見受けられます。

やはり和食が一番良いのは言うまでもありません。和食は世界的にも認められているにもかかわらず、日本人が和食を摂っていないと海外から指摘されることも多々あるようです。

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東洋医学で妊娠する力は本当につくの?

一朝一夕で妊娠する力をつけることはできませんが、「ゆっくり確実に」といった言葉が当てはまると思います。鍼灸であれば体のツボを使って気血を充実させることができます。漢方でも考え方は同じで、冷えていれば温めますし、熱が多ければそれを抜きますし、滞っていれば巡らせます。そうすることで、体の気血の循環を良くし、内蔵の温度を上げることができます。内蔵の温度が上がると子宮や卵巣の機能は格段に変わってきます。そこに、バランスの良い食事を摂っていけば、それまでの体とは違った体になるのは、ある意味当然と言えば当然なんです。

まずは自分の体質を知り(理解し)、どうすれば妊娠する力がつくのかを知るということからスタートです。それがわかれば、自然と妊娠する力はついていきます。
今の言葉でいうと「アンチエイジング」といったところでしょうか。内蔵の機能が高まればもちろん美容という副産物を一緒についてきますので、女性にとっては嬉しいことですね。
これは心と体をどのレベルで保っておくか、ということがあげられます。
体のレベルが低い状態のときには、病気になりやすいですし、高い状態であれば病気になりにくいということです。

東洋医学の大きな特徴は自然回復力を高め、免疫力をアップすることです。時間がかかるというのは欠点と言えますが、自然な形で心と体にアプローチすることが可能なため、体に負担がなく回復に向かわせるということが可能なんです。
このことによりストレスがあっても、疲れが溜まっても、病気になりにくい体になっていくということです。

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東洋医学で自分の体質を知ろう

『自分の体質を知ることが大事!!』

東洋医学では、まず自分の体質を知るところからすべてが始まります。この体質は一生変わらないものではなく、環境や生活習慣、そして食事内容が変わることで変化していきます。

10代の自分と30代の自分を比べてみればわかると思うのですが、ほとんどの人が疲れやすくなった、風邪ひいたら治りにくくなった、食べ物の好みが変わったといった感じで、全く違う体質ですよね。これは10代の頃の生活習慣が20年の間に少しずつ変化していったことに他なりません。

東洋医学では大きくわけて9つの体質に分けることができます。
自分がどの体質に当てはまるか、確認してみて下さい。

肝実証体質
外見 性格・体質 なりやすい病気
  • 目が大きい
  • 声が大きい
  • 色黒
  • シミが多い
  • がっちりとした体格
  • 太っ腹で親分肌
  • 少々のことでは動揺しない
  • 天真爛漫
  • 感情が高ぶりやすい
  • 暑がり
  • あまり怒らないが怒ると近寄れないほど激しい
  • 仕事はテキパキとこなす
  • 食欲はいつも旺盛で食べ過ぎる
  • お酒をよく飲む
  • 活動的でスポーツが大好き
  • 筋肉の痛み
  • 肩甲骨の内側から首にかけてのコリ
  • のぼせ
  • 顔や頭がほてる
  • 高血圧
  • 月経痛
  • 婦人科疾患
  • 糖尿病
【アドバイス】
筋肉が固まりやすく肩こりや頭痛などが普段からある体質なので、ストレッチなどの軽いスポーツを生活習慣として取り入れましょう!!
また、食べ過ぎる傾向があるため多食いや肉食を控えめに野菜を多く摂って下さい。
肝虚熱証
外見 性格・体質 なりやすい病気
  • 目が細く吊り上っている(切れ長の目)
  • 美人タイプ
  • 痩せているけど筋肉質
  • 几帳面で潔癖症
  • 何事もキッチリ片づけないと気が済まない
  • 他人のことが気になる
  • 体力や能力以上の仕事を抱え込んでしまう
  • イライラしやすい
  • 計画通りに進まないと気が済まない
  • 考えすぎて不眠になりやすい
  • 眠りが浅く夢を多く見る
  • 偏頭痛
  • 肩こり
  • めまいや立ちくらみ
  • 眼精疲労
  • 手足がほてる
  • 月経痛
  • 月経前症候群がひどい
【アドバイス】
血中の水分不足による熱症状が出やすい体質で、慢性的な頭痛や肩凝り、便秘になりやすくなります。
完璧主義なので計画通りに進まないとストレスと受けやすくイライラしがちです。
手足や顔がほてるので体を冷やしがちになりますが、下半身は冷えている場合が多いので、温かい飲み物や食事を心がける、ぬるめのお風呂でゆっくり入浴する、などストレスを発散しつつ、身体を冷やさないようにしましょう。
肝虚寒証
外見 性格・体質 なりやすい病気
  • 目が小さい
  • 顔色が小さい
  • 痩せて筋肉が貧弱
  • 被害妄想
  • 何事にも弱気
  • 人に会うのが嫌になる
  • 気配りができる
  • 弱気と強気が交錯しやすい
  • 決断力に欠ける
  • ため息が多い
  • 計画を立てるのが下手
  • 食欲はないが食べれば食べられる
  • イライラしやすい
  • 貧血
  • 立ちくらみ
  • 冷えて下腹部痛
  • 月経に下痢
  • 手足が冷える
  • 夜中に足がつる(ふくらはぎ)
  • しもやけ
  • 不妊症
  • 月経痛
【アドバイス】
血が不足している体質なので慢性的に貧血気味で、筋肉量も少ないので冷えによる症状が出やすい体質です。怒りやストレスを感じても顔に出さない性格なので精神的に疲れがちな性格です。ストレス発散を心がけ、明るい気持ちを維持できるような趣味を持ちましょう。また血を補うため、高タンパク質の食材(赤身の魚類や脂肪分の少ない肉類)を多く食べるようにしましょう。
脾虚熱証
外見 性格・体質 なりやすい病気
  • 頬骨が張っている
  • 口や唇が大きい
  • 肌の色は赤みがかった色
  • おおらかな性格
  • 盛り上がるとついつい大げさな話をしてしまう
  • 歌うのが好き
  • 食欲旺盛でいつもたべすぎてしまう
  • 甘い物が無性に食べたくなる
  • 口内が渇く
  • 食べ過ぎて胃もたれ
  • 便秘すると苦しく、下痢をするとスッキリする
  • 手足のほてり
  • お腹にガスが溜まりやすくおならをするとスッキリする
  • 動くとお腹から水音がする
  • ゲップがよく出る
  • 手足や全身の倦怠感
  • 口内炎や更新ヘルペスになりやすい
  • 血糖値が高い
  • 内出血
  • 胃下垂
  • 脱肛
【アドバイス】
飲食物を消化吸収する機能が慢性的に低下しやすく、胃もたれや便秘、お腹が張るなどの症状が出やすい体質です。
さらに全身をめぐるはずの水分を生成する機能が低下しやすく、部分的に熱症状になりやすい体質です。
消化吸収機能を促すために軽いストレッチを習慣化しましょう。
脾虚寒証
外見 性格・体質 なりやすい病気
  • 口が小さい
  • 口の周囲が黄色い
  • 唇は白っぽい
  • 筋力が弱く痩せている
  • 何事にも積極低
  • 根気がない
  • 物思いにふけることが多い
  • 記憶力が弱い
  • 手足に力が入りにくい
  • やる気がなく怠けがち
  • 唾液がたまりやすう
  • 食欲はあまりない
  • 全身倦怠感
  • 全身が冷えやすい
  • 食べやすぎると下痢して疲れる
  • 腹痛
  • 膝や足首に冷えを感じる
  • 梅雨時は体が重い
  • 足がむくむ
  • 夜中に足がつる(膝下前側の筋肉)
  • 昼間のだるくて居眠りする
  • 内出血
  • 胃下垂
  • 脱肛
  • 関節性リウマチ
【アドバイス】
飲食物を消化吸収する機能や『気血』に変換する機能が慢性的に低下しやすく、全身に栄養を配分できず冷えが生じ、疲れやすい体質です。また、関節に冷えが滞りやすく関節痛が出やすい、特に梅雨時や長雨が続くと体内に湿が停滞し、つらい症状に悩まされます。
体内の水分を排出させるためにぬるめのお風呂にゆっくり入浴したり、ウォーキングなどの軽い運動を生活習慣に取り入れましょう!
肺虚熱証
外見 性格・体質 なりやすい病気
  • 色白
  • 皮膚がきめ細かい
  • 体毛が多い(特に背中上部に産毛が多い)
  • 声が低音、またはかすれ声
  • 自分に自信がある
  • 気配りができる
  • 汗をかきやすい(特に顔や頭)
  • 皮膚が乾燥しやすい
  • 気がつくと皮膚をかいている
  • 香辛料が多い料理が好き
  • 顔にニキビがある
  • 暑いのに汗をかかない
  • 暑くないのに汗が出る
  • 汗や尿、便が出にくい
  • 下痢しやすい
  • 扁桃腺が腫れやすい
  • 鼻がよく詰まる
  • 花粉症などのアレルギーがある
  • 皮膚がかゆい
  • アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患
  • 手足が冷たい
  • 息切れをしやすい
  • のぼせ
  • ほてり
【アドバイス】
肺の機能である全身への木の循環機能が慢性的に低下しやすいので、体表に熱が停滞し皮膚が乾燥してかゆみが出やすくなります。
また『気』が上部に滞ってしまうと、肺が管理している、呼吸器系(特に鼻)の疾患になりやすくなります。さらに体質調整に必要な汗をかきにくいので体内に熱がこもりやすく上半身や顔がほてりやすい体質です。また乾燥肌や敏感肌にもなりやすくなります。
香辛料を好む人は、体表や上部の熱がさらに高まりますので辛い食事や香辛料の多い食事は避けましょう。
肺虚寒証
外見 性格・体質 なりやすい病気
  • 色白
  • 皮膚がきめ細かい
  • 見た目は虚弱
  • 肩甲間部に産毛
  • 声に力がない
  • 行動力がない
  • 取るに足らない事でも悩む
  • 愚痴が多い
  • 皮膚が乾燥しやすい
  • 子供の頃に小児喘息を患った
  • 体が熱くないのに汗がでる
  • くしゃみ鼻水がよく出る
  • 感冒にかかりやすい
  • 冷え症
  • 咳や痰が出やすい
  • 息切れしやすい
  • 化粧品やシャンプーで肌荒れしやすい
  • うつ状態になりやすい
【アドバイス】
肺は気を取り込み全身に巡らせていますが、血中の酸素の量も肺の機能によるもので、肺の機能が慢性的に低下しやすく、血流不足による冷え症にとなり、免疫力も低下しやすい体質です。
また肺は皮膚の状態も管理しており、汗の調整が出来なくなり体が熱くないのに汗が出たりします。また乾燥が打や敏感肌にもなりやすくなります。
ヨガや太極拳などゆったりとした有酸素運動を生活習慣に取り入れ、気持ちの良い汗をだすことで、汗の調整機能を正常にしましょう!
腎虚熱証
外見 性格・体質 なりやすい病気
  • 耳が大きい
  • 皮膚は浅黒くて光沢がある
  • むくみで太ってみえる
  • 白髪が多い
  • 髪にコシがない
  • へりくだった物腰
  • ついつい無理しがち
  • 空腹感はあるが食べるとすぐにお腹がいっぱいになる
  • シミが多い
  • 耳鳴り
  • 難聴
  • 手足のほてり
  • 息切れ(深呼吸ができない)
  • 動機
  • 夜間排尿が多い
  • 排尿の回数や量が多いと便秘しやすい
  • 足がむくむ
  • 顔がむくむ
  • のぼせやすい
  • 足の裏が痛くなる
  • 不妊
  • 歯槽膿漏
  • 抜け毛
  • 中年以降に太りやすい
【アドバイス】
体内の水分が不足したり停滞しやすいので、便秘・むくみ・のぼせ・ほてりが生じやすい体質です。
また昼間はトイレの回数が少ないのに夜間に多くなる、お茶など水分を摂るとすぐにトイレに行きたくなる、など尿の悩みが多い体質です。腎が管理する耳や歯の不調にも悩みがちです。腎が管理する気が集まる下腹部を常に温めながら、下腹部を意識した深呼吸を心懸けましょう。またむくみの原因となる塩辛い食事はさけましょう!
腎虚寒証
外見 性格・体質 なりやすい病気
  • 耳が小さい
  • 立ち耳
  • 水太り
  • 白髪が多い
  • 髪にはりがない
  • 異常に恐がり
  • 根気がなく何事も続かない
  • 気力がなく弱気で消極的
  • 仕事が長続きしない
  • テレビを観ていても横になる事が多い
  • 疲れやすい
  • 月経不順
  • 性欲が全くない
  • 難聴
  • 耳鳴り
  • 頻尿
  • インフルエンザや感冒にかかりやすい
  • 手足が冷える
  • 足がむくむ
  • 夏でも汗が出ない
  • 食欲がない
  • 下痢
  • 性欲がない
  • 免疫力がなくすぐ病気になりやすい
  • 不妊症
  • 重大な病気になりやすい
  • 歯が弱い
  • 骨粗鬆症
  • 特に足腰が冷える
【アドバイス】
気を集める機能が低下することで、免疫力が少なくなり、あらゆる病気にかかりやすくなります。手足末端まで気がめぐらないため、手足の冷えやむくみに悩みがちです。
冷えがあるところには慢性的な痛みが出やすいので冷やさないようにしましょう!
夜はじわっと汗が出るくらいゆっくりと半身浴を習慣化したり、昼間の手足の冷えには手浴足浴が効果的です。
また下腹部を意識した深呼吸を常に心がけましょう。

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東洋医学とタイミング療法との関係

タイミング療法をされている方が鍼灸治療を併用する場合はどうすればいいのでしょうか?
タイミング療法をされている方の鍼灸治療の通い方として、週に1回のペースで、目安として3か月程通っていただくことをご提案しています!

3か月と設定しているのは、安定したお身体の状態を保つのに最低限必要な期間だからです。
また、鍼灸治療を受けた後はお身体のバランスが整いやすいため、排卵予定日の前後にも来院して頂くようにお伝えしています。
もし、タイミング療法を行うにあたって、同時にお身体の状態も整えておきたい!
とお考えの場合は、是非参考にしていただければと思います。そして、この次の段階として取り入れられる方法が人工授精と呼ばれるものです。

生殖医療

人工授精

人工授精とは、人工的に精子を子宮内へ送り込む治療法です。何らかの問題、精路障害や造精異常、性行障害などによって、精子が卵子の元へたどり着けない、という不妊症の場合に行われる治療方法の一つです。
人工授精という名前から、すごく機械的な印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません!
精子の移動の手助けを行うだけなのです。つまり、受精を行うのは精子と卵子自らの能力となります。
人工授精には、AIHとAIDという二つの種類があります。
AIIHは、配偶者間人工授精のことをいい、不妊治療を受ける夫婦の男性側に、受精能力をもった精子が少なからず作られていれば、配偶者の精子での人工授精を行います。
通常よく行われるのはAIHです。
AIHの対象となるのは、男性側に性行障害や精路障害、乏精子症、精子減少症、静止無力症等の問題があり、女性側は、妊娠・出産が可能な状態である場合、となります。

AIDは、非配偶者間人工授精のことをいい、夫婦とは関係のない他人の精子での人工授精のことを言います。
男性が精子を作る能力のない無精子症や、正常では妊娠が不可能と判断される精子死滅症、無精液症、絶対精子減少症と診断された場合に受けることが可能となります。
ただ、夫婦でこの治療を望んだとしても、他にも厳しい条件をクリアする必要があります。
人工授精の方法は、1.排卵日を予測し、2.採精し、3.精子を濃縮・注入します。

排卵日の予測

前回のタイミング療法の記事でお話したものと同じになりますが、基礎体温法・頸管粘液法・LH検査法、また、エコーによってできるだけ正確に特定します。排卵障害や卵管障害等がある場合には、投薬や卵管疎通の治療なども並行して行われます。

採精

排卵日の特定によって人工授精の日を決定し、男性はその日の当日に精液を採取します。 自力で射精が困難な場合には睾丸から直接精子を摘出するTESEという方法が取られることもあります。

精子を濃縮・注入

精子を採取した後、必要であれば洗浄をし、その後受精しやすいように濃縮された精液を人工授精用の注入器を使って女性の子宮腔内に注入します。
受精直後は腰を高くした状態でしばらく安静にし、その後帰宅します。
人工授精は、女性の負担が大きくなりやすい不妊治療となりますが、痛みを感じることなく受けることができます。
排卵誘発剤を使用していない場合であれば、卵子や卵巣にもほとんど負担がかからないため、希望すれば、何度も繰り返し行うことは可能です。
しかし、人工授精は保険の適応外となってしまうため、一回の料金はかなり高額となってしまいます。
また、人工授精を行うまでに必要な検査もほとんどが保険適応外であるので、金銭的な面での回数制限がかかってしまうケースが多いのです...

そして、人工授精の成功率ですが、日本で行われるAIHの成功率は、平均すると20~40%と言われていますが、女性の年齢や、男性の精子濃度、精子の運動率によってもかなりの差があります。

一般的には一回のAIHで妊娠する確率は20~30%と言われているので、数回繰り返した方が成功率も高くなると考えることができます!
しかし、病院の実績にもかなりの差があり、こういった成功率や実績のデータを公開していない病院も多くあるようです。


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東洋医学と人工授精との関係

鍼灸治療と併用する場合はどうすればいいのでしょうか?
週に1回で、3~6か月間通っていただくことをご提案させていただいています。

タイミング法のお話の中でも、体質の改善には3か月程の期間がかかることをお伝えしましたが、人工授精の場合、女性に負担がかかってくるため、少し長い期間を目安としていただいております。

また、先ほどお話ししたように、人工授精を行うに至るには、男性の精子の運動率など、男性側の要因も関わってきます。
そのため、ご夫婦で受診され、ご夫婦共に治療される方も多くいらっしゃいますよ。

体外受精

体外受精とは、体内で行われる卵子と精子の受精を体の外で行い、順調に受精・分割した卵(胚)を子宮内に移植する方法です。
体外受精も人工授精と同じく、精子と卵子が自らの能力で受精を行うことが特徴です。
ただ人工授精と違う点は、人工授精は精子の手助けのみを行う治療方法ですが、体外受精の場合は、卵子の手助けも行う、という点です。
大きな特徴は、新しい「受精卵」という細胞が生まれる瞬間は、人の手を加えず、精子と卵子自らが行う、ということです。
体外受精の方法は、1.排卵のコントロールと採卵2.採精3.受精4.胚移植の過程で行われます。

1.排卵のコントロールと採卵

初めに女性の卵巣内で体外受精に必要な、受精能力の持った成熟卵胞を育てます。
卵巣機能や排卵機能に異常がある場合には、ホルモン剤の投与や、排卵誘発剤を使った治療が行われます。
排卵誘発剤を使うことで、自然状態よりも多くの原子卵胞を成熟状態まで育てることができます。

正常な生殖能力のある成熟卵胞は、膣口から挿入した専用の器具を使い、膣の壁越しに卵巣から卵胞液とともに吸引します。採取した卵子から優良な卵子を選別して培養しておきます。

2.採精

採精を行う前の3~5日は禁欲して精子の濃度を正常に戻しておきます。当日は受精させる1~2時間前までに採精し、遠心分離器での洗浄やスイムアップ法・パーコール法などにより、より優良な精子を選別し、確率が高くなるように濃縮し、培養します。

3.受精

卵子の入った培養液に、濃縮・選別した精子を加えます。このケースの中で精子が卵子の受精が行われます。
この受精する過程では、特に何も行いません。
精子を加えてから約12~24時間で受精が行われるため、体外受精の翌日には結果が分かります。受精することができた場合には、そのまま細胞分裂が進むまで培養されます。

4.胚移植

3~4時間培養液の中で育てられた受精卵(胚)は、状態を確認してから子宮内へ戻されます。この時、複数受精卵ができていた場合は形態検査などを行い、質の良い胚だけが選ばれます。
エコーで確認しながら専用のカテーテルで子宮腔内へ戻されます。
体外受精は、高度な技術を必要とする不妊治療のため、高度不妊治療(ART)と呼ばれています。

体外受精の適応となるのは、乏精子症、精子無力症、精子奇形症、無精子症などの男性側の要因による不妊症で、人工授精を何度か行っても妊娠に至らなかった場合、子宮卵管造影などの検査で、卵管の狭窄や閉塞が見られる卵管性の不妊の場合、抗精子抗体が存在する免疫性の不妊の場合、原因不明の不妊症で、タイミング療法や人工授精を何度か行っても妊娠に至らなかった場合、子宮筋腫や子宮内膜症で、長期間妊娠に至らなかった難治性の不妊症の場合となります。

そして、体外受精の成功率ですが、年齢によっても大きく変わってきます
一般的に、30~34歳までで30~35%、
35~40歳までで20~30%、
40歳~は5~15%となり、
45歳以上となると5%未満となっています。

また、医療技術は発達してきているとはいえ、ご夫婦にとって、身体的にも金額的にも負担の大きい治療です。
どうしても精神的な負担も大きくなってしまい、そのことで自律神経を乱すきっかけとなってしまったり・・・
ホルモンバランスが乱れてしまったり...といった悪循環も生まれてしまったりします。

そこで、鍼灸治療といったアプローチがあること選択肢の一つとして持っていただくのもいいかのではないかと思います。


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